第二次世界大戦終結を間近に控えた1945年5月1日、ドイツ。陥落寸前となった首都ベルリンに「聖槍十三騎士団」と呼ばれる者たちがいた。彼らにとっては自国の敗退など取るに足らぬことであり、むしろ戦火の犠牲となった夥しき数の民衆を謎の儀式の触媒として生贄にしていたのである。戦争終結後彼らの存在は歴史の闇に隠れ、その行方を知るものは誰もいない。
レオソーム ガードマン ドアマット おぜいゆ ウォッチ チュール ハシェマ タンギ シラン 手をつなご チュウゴ ブルーボ マンダ 散歩道 アカマツ 弾丸ファ スキーマ ロック マコロ 陽炎 長徳国内 セーフ ヒストン マナー プリーナ ルベリー レポオペ ゲエゲア ナンセン ジーンズ プレパレ マスト チェリー ペック ふき小松 トモグラ ショート とうげ シボレー トランジス じくど タッピ そうあん クーペ カタカナ ドラセナ シンバル ぞうげ すうぃ? プログ
その61年後、西暦2006年日本。「諏訪原市」に暮らすごく普通の学生「藤井蓮」は親友の「遊佐司狼」と、どうしたことか殴り合いの決闘を起こし、満身創痍により2ヶ月もの入院生活を強いられていた。しかしその後は無事に退院、幼馴染の「綾瀬香純」や先輩の「氷室玲愛」と共にもとの学園生活にも戻りつつあった。
しかし、クリスマスも近づいた12月の諏訪原市では人が首を斬り落とされて殺されるという無差別連続通り魔事件が起こっているのだという。奇妙なことに蓮はその頃から、自分が罪人を処刑するための断頭台で首を刎ねられるという恐ろしい悪夢にうなされ始めていた。だがそれは彼にとって恐怖と苦悶に満ちた戦いの物語の前触れでしかなかった。
藤井 蓮(ふじい れん) - 声:先割れスプーン(ドラマCD)
この物語の主人公。諏訪原市にある私立月乃澤学園の2年生。
一匹狼気質で社交性に欠けており、タブーに触れなければ人当たりはいいのだが、人付き合いは良いほうではなく、学園内に友人は少ない。2ヶ月前、親友であった司狼と殺し合いのような喧嘩をしたこともあって、学園では悪評が立って一線を引かれている。争いごとや事件は好きではなく、平凡で無難な人生を送ることを望んでいる。香純、司郎とは住んでいるアパートでは隣同士で、それぞれの部屋との間の壁にはアパートの管理人には内緒で作った秘密の抜け穴が空けられている。自分の外見がやや女っぽいことにコンプレックスを感じており、容姿について触れられると不機嫌になる。また刃物の類も苦手で、アパートの自室には料理用の包丁すら置いていない。諏訪原市には2年前、幼馴染の香純と共に学園に通うため引っ越してきた。
退院した後、首刈り魔事件が発生する頃から謎の悪夢を見るようになり、ある夜、聖槍十三騎士団と遭遇する。その日を境に彼の日常は崩れ去り、聖槍十三騎士団との戦いに巻き込まれてゆくこととなる。
聖槍十三騎士団副首領メルクリウスの代行者であり、メルクリウスが生み出したエイヴィヒカイト「ツァラトゥストラ」の唯一にして真の後継者。厳密にいえば、「ツァラトゥストラ」とは藤井蓮自身を意味し、彼はギロチンの聖遺物を操る為に、メルクリウスが生み出した聖遺物である。ゆえに彼には両親というべきものは潜在しない。彼が自身の存在を理解し、“完成”すれば首領に匹敵する存在にすらなると断言される。騎士団の望みを叶えるための鍵となる存在である模様。詠唱はファウスト。また、この作品でファウストが悪魔メフィストフェレスに魂を差し出す際の有名な言葉が、後の蓮の能力と関連する。
綾瀬 香純(あやせ かすみ) - 声:佐本二厘
蓮の幼馴染でクラスメイト。
幼い頃、両親を亡くした蓮を綾瀬家が引き取ったことから二人は長い間同居していた。勝気でテンションが高く友人も多いため学園では人気者。学園の表ミス。剣道部の主将を務めており、その実力は全国大会でも上位に入ることが多い。蓮に対しては心配性でおせっかい焼きで面倒見がよく、進んで蓮のために食事を用意したり部屋を掃除してくれる。そのしつこさから、蓮に痴女扱いされている。心の内では密かに蓮の事を心配している。蓮と同じアパートで隣の部屋に住んでおり、壁に穴を開けて蓮の部屋への入り口を作っている。
実はカドゥケウス(双頭の蛇)の特性から、一連の首刈り魔事件と重要な関わりを持っていた。
氷室 玲愛(ひむろ れあ) - 声:雛見風香
学園3年生の先輩で蓮の数少ない親友の一人。祖父がドイツ人だというクォーター。
諏訪原市に一つしかない教会にリザという名のシスターと共に暮らしている。洗礼名はテレジアと言い、「玲愛」はそれを日本風に改めたもの。物静かで神秘的な雰囲気があり、学園では一部のマニアから高い人気がある。学園の裏ミス。蓮曰く、空気に話しかけてるような話し方をする。2ヶ月前、司狼と決闘し重傷を負った蓮を病院まで送った。諏訪原市で発生している連続殺人事件による遺体の第一発見者でもある。
実は彼女の素性は聖槍十三騎士団黒円卓第六位「太陽の御子(ゾーネンキント)」。ある目的のために行われた人体実験の果てに誕生した成功品。ただし戦闘力は一般人と大差無く、他の騎士団と比べ物にならない程弱い為、「唯一の成功例にして、最大の失敗作」とも呼ばれる。しかし、その存在自体が騎士団の目的と深く関わっている。その為同胞でも彼女に危害を加える事はタブーである。
櫻井 螢(さくらい けい) - 声:かわしまりの
聖槍十三騎士団・黒円卓第五位「獅子心剣(レオンハルト・アウグスト)」。騎士団最若輩の日本人。
大戦中、同盟国としてナチスと関わっていた一族の末裔であり、11年前、先代の第五位であるベアトリス・キルヒアイゼンなる人物が死亡し、その抜け番として団員となった。騎士団唯一の日本人であるため、同じ団員であるヴィルヘルム・エーレンブルグ達からは「黄色い劣等」呼ばわりされている。一見生真面目で冷静沈着のように見えるが、根はかなりの激情家である。また、無益な殺生を好まない性格であり、蓮を結果的に助けたり、ヴィルヘルムの度が過ぎた行動を忠告したりしている。しかし、組織への忠誠心は絶対である。トバルカインに対し、ある特別な感情を持っている。中盤でエレオノーレと自身との因果関係が発覚し……。
聖遺物は武装具現型の、炎を纏った剣「緋々色金」。位階は創造。詠唱は古事記。
マリィ(Marie) - 声:榊原ゆい
蓮が最近になって見るようになった不思議な夢の中に現れる謎の少女。人類最悪にして最美の魂と称される。
正体不明で、呪われたフランス人とも言われるが、本当にフランス人なのかも不明。背が低く、真っ白な服を着ている。フランス語による不気味な歌をいつも口ずさんでおり、その首にはまるでギロチンで切断されたような傷跡がある。メリクリウスからは「マルグリット」と呼ばれているが詳細不明。
ある事情により、中盤から現実世界でも存在するようになるが、性格は無垢、無邪気である。
遊佐 司狼(ゆさ しろう) - 声:ルネッサンス山田
蓮のかつての親友。あらゆる物事を高レベルでこなせる天才。
2ヶ月前、蓮とふとしたことから決闘し、彼と同様全身に瀕死の重傷を負う。その後、蓮と同じ病院に入院するが3日後に姿をくらまし、そのまま消息を絶った。「デジャブるんだよ!」という口癖から分かるとおり、日常に退屈しており、常に新しい刺激や感覚を求める無鉄砲な性格で、蓮とは対照的。そのため、死への恐怖心が皆無であり、聖槍十三騎士団との戦いに自ら足を踏み入れる。
通常の人間にしては、人並み外れた戦闘力を持っており、ヴィルヘルムと互角に戦えるほど。しかし騎士団である彼には、ダメージを与える事はできなかった。マリィルートにおいて後に普通の人間には考えられないような方法で、文字通り対等に戦えるようになる。
本城 恵梨依(ほんじょう えりい) - 声:皆美伊吹
学園を去った後の司狼と出会い、行動を共にしている青年女性。司狼の良き相棒。
博識で頭も切れる才媛。コンピュータの操作も得意で、アングラサイトや国連のデータベースへのハッキングもいとも容易く実行することができる。司狼と刹那的な快楽を共有することのみを求め、彼と同様危険が好きで命知らず。
ヴァレリア・トリファ(Valeria Trifa) - 声:青島刃
聖槍十三騎士団・黒円卓第三位「神を運ぶ者(クリストフ・ローエングリーン)」。もう一人の黄金。幹部が不在である現在、暫定的最高司令官を務める。裏で策を練り、聖槍十三騎士団の団員達を指揮・煽動している。彼らが諏訪原市で起こそうとしている儀式を司る司祭でもある。物語冒頭に、地球の裏側のメキシコから地脈を伝って富士の樹海に出現した。
仮の姿は教会の神父。玲愛の暮らす教会へ向かおうとして道に迷っていたところを蓮たちに助けられた。表面上は、ドジなうえ気が弱く、教会の主であるシスター・リザには頭が上がらず、優しく笑顔を絶やさない聖職者として振舞っていて、自分に不幸がある度に「おお、神よ……」と嘆いている。しかし、その本性は冷酷非情かつ残忍である。首領代行という地位は伊達でなく、その忠誠心は現メンバーで最も高い。それもそのはずで、彼の聖遺物こそ……。
位階は創造。形態は特殊発現型。詠唱はローエングリン。
Die Morgendammerung
ヴァレリアン・トリファという名の東方正教司祭として登場。神に仕える身として読心術を持っており、人々の思念が詰まった特別な存在(即ち作中の聖遺物)の探索に長けたサイコメトラーであり、「闇の賜物」をルサルカに謙譲した。ただし、本人はこの能力を嫌っている。
ヴィルヘルム・エーレンブルグ(Wilhelm Ehrenburg) - 声:杉崎和哉
聖槍十三騎士団・黒円卓第四位「串刺し公(カズィクル・ベイ)」。白面外道。ブラッドサッカー。元オスカー・ディルレワンガー隊、第36SS所属武装擲弾兵師団の中尉。
かつては凶悪犯罪者上がりの軍人で、気性が荒く、殺人狂で戦闘狂。5人の幹部を除いた8人の団員の中では1、2を争う戦闘力を持つ。父と姉との近親相姦から生まれた。アルビノであり、日光を始めとした光の類を嫌うが、夜になると全ての感覚が増幅し研ぎ澄まされるという吸血鬼のような性質を有し、本人もそれをアイデンティティとして吸血鬼じみた属性を好んでいる。筋金入りの人種差別主義者でもある。ワルシャワ蜂起戦にて敵味方市民の区別なく虐殺したことで粛清されたとされるが、その後も世界中の戦場に出没しているため、戦場のオカルトとして兵隊世界では「絶対に戦ってはならない」伝説の存在となっている。ある夜、諏訪原市の公園で突如として蓮の前に現れ、有無を言わさぬまま戦いを挑み、蓮を瀕死にする。
聖遺物は人器融合型の「闇の賜物」。全身から、刺さったものの水分や魂を瞬時に吸い取る杭を無数に出現させる。位階は創造。その段階になると、自身の吸血鬼らしさを具現化したある能力が付加される。ドラマCD第2段で、素体が結晶化したヴラド・ツェペシュの血液であった事が判明する。詠唱はばらの騎士。余談だが詠唱の尺が最も長い。
Die Morgendammerung
自傷癖を持つ凶悪犯で、快楽を求めて暴挙を振るう荒くれ者。似た特徴を持つ凶悪犯(シュライバー)と誤解されドイツ警察に追われる身となり、彼を怨むようになる。
ルサルカ・シュヴェーゲリン(Rusalka Schwägerin) - 声:木村あやか
聖槍十三騎士団・黒円卓第八位「魔女の鉄槌(マレウス・マレフィカルム)」。ドイツ古代遺産継承局、アーネンエルベの初期メンバー。
騎士団入団以前から魔道に踏み込んでいた正真正銘の魔女。外見は10代の少女のようであるが、実年齢は副首領を除いた団員の中で最年長を誇る。気まぐれでマイペースな性格で、ふざけたような言動が目立つが、その本性は狡猾で老獪な拷問好き。ヴィルヘルムと共に蓮の前に現れ、蓮がヴィルヘルムに一方的にいたぶられる様を手を出さず笑いながら見守り、戦闘後、重症を負った蓮を治療した。蓮が命からがらその場を後にしたのち、螢と共に彼のクラスに転校生としてやってくる。
聖遺物は事象展開型の「血の伯爵夫人」。詳細不明だが、様々な拷問器具を具現化し操っている。位階は創造。また、相手を金縛りにして動きを封じる能力も持つ。
Die Morgendammerung
アンナ・マーリア・シュベーゲリンという本編のそれとは大きくかけ離れた妖艶な美女として登場。ドイツ古代遺産継承局局長の側近として、「闇の賜物」を回収した。なお、この人物は歴史上実在しており、魔女として獄中死したことになっている。
リザ・ブレンナー(Riza Brenner) - 声:彩世ゆう
教会で玲愛と共に暮らしているシスター。バストサイズFカップというスタイルの良さから、Bカップの玲愛からは羨ましがられている。諏訪原市で最近発生している連続殺人事件被害者の死体を玲愛と共に発見してしまい、そのショックで数日間寝込んでいた。
その正体は聖槍十三騎士団・黒円卓第十一位「大淫婦(バビロン・マグダレーナ)」。代行補佐。首領代理のクリストフとは古い付き合いでもある。マグダラのマリア。かつて生命の泉協会レーベンスボルンに所属。軍属ではないが少佐相当の地位と権限を持つ。形成位階である自身の戦闘力はさほど高くはないが、第二位の騎士団員・トバルカインを武器として思いのままに操る。凶悪な存在を生み出す特性を持つ。軍団の中では珍しく良識を持つ人物であり、裏では自分の大義と、そのために人を殺す事に葛藤している。
聖遺物は事象展開型の「マグダラの聖骸布」。詳細は不明だが、カインを使役する事に使われるようだ。
Die Morgendammerung
ある将校との婚約間近の民間人として登場。エレオノーレとは古くからの知人である。
トバルカイン(Tubal Cain)
聖槍十三騎士団・黒円卓第二位「死を喰らう者(トバルカイン)」。不死怪物。聖遺物に喰われた人間の末路。
5人の幹部を除く8人の団員の中では最強クラスの戦闘力を誇るが、魂や精神といったものが欠片も存在していないため単体で機能することが出来ず、リザによって操られる単なる殺人マシンと化している。巨大な体と武装具現型の聖遺物「ロンギヌス・レプリカ」を持ち、その顔は人間のものではなくなっている。
リザの遠隔操作で動く為、彼と攻撃対象との距離関係が不確定、つまりリザ側から敵が見えないときはうまく攻撃できない。
ロート・シュピーネ(Rot Spinne) 声:三川春人
聖槍十三騎士団・黒円卓第十位「紅蜘蛛(ロート・シュピーネ)」。人蜘蛛。縊殺マニア。
かつてゲットーや絶滅施設において、残虐非道な人体実験の限りを尽くしてきたマッドサイエンティスト。団員の中で最も表の世界に通じているため、現在は諜報活動を担当し、戦闘部隊には加わっていない。戦闘よりも弱者を嬲り殺すことを好む。姓名は不詳。実は十三騎士団の中でも、消息不明の残り5人のメンバーを最も畏怖しており、彼らに再び従う事を拒絶していた。そのため、ある暗躍を取るが、それにより哀れな末路を辿ることになる。
聖遺物は人器融合型の「ワルシャワの絞殺縄」。位階は形成で、称号に相応しく蜘蛛の糸のようにワイヤーを操る。
余談ではあるが、シナリオにおいての不遇さや聖遺物の位階が形成段階にとどまっていること、かませ犬のような言動などから、ファンからは形成(笑)と呼ばれている。
ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ(Reinhard Heydrich) - 声:トム・クノレーズ
聖槍十三騎士団・黒円卓第一位「愛すべからざる光(メフィストフェレス)」。聖槍十三騎士団首領。忌むべき黄金。
黄金の長髪と、それと同じ色の瞳を持つ男。幾百万もの魂を喰らい、比類なき強さの魂を有し、超越者として騎士団に君臨する最強の存在。それを持つ者は世界を支配すると謳われる最強の聖遺物「運命の槍」の正当後継者。「黄金の獣」「忌むべき光」「破壊の君」「黒太子」などといった異称を持ち、それらは全てが魔の言霊を帯びている。座右の銘は「メメント・モリ(死を想え)」。副首領のメルクリウスからは獣殿と呼ばれている。かつてはナチスの高官であったが、そのあまりの力のために危険視され暗殺を図られるも逆にそれを利用し、暗殺されたと偽装して闇に潜り、親友のメルクリウスと共に騎士団を結成した。以降、戦争の裏で団員を操って敵味方を問わず滅ぼし、壊し続け、幾多の破壊工作を繰り返した。61年前、1945年のベルリン陥落時に姿を消し、現在消息不明。彼が戻ってきた時、世界は終わる。
位階、形態は不明。
Die Morgendammerung
秘密警察ゲシュタポの若きエリート将校。本人はこの地位に就いたのは「手加減せずに真面目に事を進めただけ」と認識していたが、心のどこかで自分の実力を完全に出し切れる場が無いという飢餓感を抱いていた。そして、当初は邪険としていたメルクリウスの言葉に、次第に耳を傾けるようになる。
メルクリウス(Mercurius) - 声:先割れスプーン
聖槍十三騎士団・黒円卓第十三位「水銀の王(メルクリウス)」。聖槍十三騎士団副首領。魔人練成者。作中で「影絵のような……」と表現されるなど、曖昧な存在として描かれている。本作のトリックスターである。
世界の真理に最も近い魔術師、ヘルメス・トリスメギストス。その他にもマルグリット(マリィ)に「カリオストロ」、ハイドリヒ卿には「カール」と、その時に応じて多くの名を持ち、長い時間を彷徨っていた。エイヴィヒカイトを生み出し、それを団員に授けた、全団員の師にあたる存在。騎士団を魔人の集団に仕立て上げた張本人。首領と唯一同格の存在で、親友同士でもある。が、何故か首領以外の古参の団員からは病的なまでに恐れられ、憎まれ、「存在を無かったことにしたい」と言われるほどである。狂人揃いの団員たちをしてすら、なお異常なほどの狂人かつ危険人物であったと言われ、彼と面と向かって口を利くことですら、出来た者は首領とベルリッヒンゲンの二人のみであった。古参の団員はメルクリウスの力に対して極度のコンプレックスを抱いており、どうにかして彼を超えようと躍起になっている。彼のエイヴィヒカイトは本家本元であるため、他のそれとは主旨が違うものであるらしい。人の一生を「未知を既知に変える作業」と定義しており、「未知が無いものは生きてはいない」と明言している。彼のとった全ての行動の目的も、この無限に続く既知感を超越する事である。61年前のベルリン陥落時に首領と共に姿を消し、現在消息不明。
聖遺物は「賢者の石」であるが、上記のように主旨が他の団員と異なるため、形態、位階は不明。ツゥラトゥストラの存在と関係があるらしい。
Die Morgendammerung
ナチス宣伝省占術師カール・エルンスト・クラフト。ラインハルト曰く「道化師」のような言葉で、接点の無かったはずの「彼ら」をある時間、ある場所に集合させる。
ウォルフガング・シュライバー(Wolfgang Schreiber) - 声:日椰たぬき
聖槍十三騎士団・黒円卓第十二位「悪名高き狼(フローズヴィトニル)」。騎士団幹部、白騎士。凶獣シュトゥルムヴィント。元武装親衛隊第三師団、髑髏の大隊長、兼、東部戦線遊撃部隊、移動殺戮集団アインザッツグルッペンの特別行動部隊長。元少佐。
首領、副首領を除いた騎士団の中で群を抜いて強大な3人の幹部の1人。外見は10代前半の少年であるが、その実態は完全に人格の壊れた殺人狂で、全団員中最も人を殺しており、その行動と凶暴さは制御不能。力によって屈服させられた首領以外は味方すら襲いかねない危険人物。しかしこと殺人に関しては異常なまでに優れているため、実力至上主義の騎士団内では不動の地位である。東部戦線において敵味方の区別なく殺戮を繰り返したために粛清されかけ、そこを騎士団に拾われる。スネイルマガジン装備のルガーP08とモーゼルC96の2丁拳銃を使い、バイクを駆る。隻眼であり、右目に装着したトーテンコップの描かれた眼帯から、殺した人間の魂を喰らう。61年前のベルリン陥落時に首領と共に姿を消し、現在消息不明。
聖遺物は人器融合型の「破壊の杖」。詳細は不明だが、1撃で街1つ焼け野原にする威力を持つ。位階は創造であり、それになると戦闘に特化した特殊能力が付加される。詠唱はニーベルングの指環。尚、称号、聖遺物の名称は、北欧神話の狼「フェンリル」に由来する。
Die Morgendammerung
白いドレスに女装した姿で町を放浪する殺人鬼。この姿でいるのは親(産みの親か育ての親かは不明)によって陰部がえぐられている為、本人にも性別が分からないためである。生殖器が無い事から、子孫を残す必要が無い、一世代で死ぬ事が無い、不死で完全な存在という妄想に浸っている。
ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン(Göetz Von Berlichingen) - 声:左高蹴
聖槍十三騎士団・黒円卓第七位「鋼鉄の腕(ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン)」。騎士団幹部、黒騎士。呪われしマキナ。元武装親衛隊第一師団、アドルフ・ヒトラー親衛連隊所属。
首領、副首領を除いた騎士団の中で群を抜いて強大な3人の幹部の1人。無精髭を生やした大男で、寡黙で殆ど言葉を発しない。実際に一度死んだ人間で、その際に名を失っており、ベルリッヒンゲンというのは彼の持つ称号であり、本名ではない。彼のことを知る数人の者はマキナと呼ぶこともあるが、これも名ではないらしい。強大な3幹部の中では慈悲深いのか、プロローグの回想では、自分に攻撃してきた兵士のみ殺している(しかし、逃亡兵はエレオノーレに瞬殺された)。61年前のベルリン陥落時に首領と共に姿を消し、現在消息不明。
聖遺物は特殊発現型の「機械仕掛けの神」。詳細は不明だが、戦車を紙細工の如く破壊する。位階は創造。
エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ(Eleonore Von Wittenburg) - 声:谷口ケイ
聖槍十三騎士団・黒円卓第九位「魔操砲兵(ザミエル・ツェンタウア)」。騎士団幹部、赤騎士。紅蓮のカスパール。元武装親衛隊第二師団、ダス・ライヒの大隊長。
首領、副首領を除いた騎士団の中で群を抜いて強大な3人の幹部の1人。顔の左半分に深い火傷の痕があり、口にはいつも葉巻を咥えている。軍人貴族出身のエリートだったが、首領と関わったことで魔道に傾倒する。騎士団結成の際に首領と共に尽力した。いかにも軍人らしい厳格な口調で話し、“遊び”が全くない性格で、物事に妥協や容赦をすることがない。61年前のベルリン陥落時に首領と共に姿を消し、現在消息不明。
聖遺物は武装具現型の「狩りの魔王」。詳細は不明だが、戦略兵器級の火力を任意の一点に集約させたような超火力の炎を放つ。位階は創造で、その段階になるとその名に恥じない、確実に獲物を仕留める能力が付加される。詠唱は魔弾の射手。「ザミエル」という称号もこの戯曲に登場する悪魔に由来する。
Die Morgendammerung
親衛隊将校。その実力はドイツ女子青年同盟の創立時からの幹部候補生と言われるほどである。
ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン(Beatrice Waltrud von Kircheisen)) - 声:かわしまりの(ドラマCD)
先代聖槍十三騎士団黒円卓第五位「ヴァルキュリア(漢字表記は不明)」。作中では会話の中で名前が出るのみで登場しなかったが、過去編とも言えるドラマCDに登場する。
本編開始11年前にトバルカインによって食べられ、彼女の空席にレオンハルトが就いた。聖遺物の詳細は全て不明であるが、電撃を使った攻撃が可能である。
Die Morgendammerung
ドイツ女子青年同盟、AHSを首席で卒業した優等生。しかし、16歳という若さゆえの性格から不真面目且つ楽観的な言動が目立ち、上官であるエレオノーレとは対照的である。ある意味作中の清涼剤な役割を持つ。
諏訪原市
本作の舞台となる諏訪原市(すわはらし)は60年程前から存在する都市で、現在では人口80万人以上の政令指定都市となっている。歴史はそれほど古くはないものの海浜公園や遊園地、巨大タワーなどが存在し、人の出入りが盛んな行楽地として栄えている。蓮や香純の通う月乃澤学園や玲愛の暮らす教会は市の建設とほぼ同時期に建てられたものである。
しかし一部ではオカルト的な噂も囁かれており、町の人口が政令指定都市となった10年前から変動しておらず、その数はナチス武装親衛隊の隊員数と等しいとか、町の主要地点を点で結ぶとハーケンクロイツの形になるなどと言われている。
聖遺物
本来、聖遺物とは過去の聖人が遺した物品のことであるが、本作における聖遺物(AhnenErbe)は人間の思念を吸収することにより自らの意思を持ち、絶大な力を持つようになったアイテムの総称とされている。聖遺物を兵器として武装するためには、聖槍十三騎士団副首領メルクリウスの組み上げた複合魔術永劫破壊(エイヴィヒカイト die Ewigkeit)と呼ばれる理論が必要とされる。
エイヴィヒカイトはその発動に人間の魂を必要とし、使うには常に人間を殺し続けねばならない。殺せば殺すほど強くなっていき、殺した数に相当する霊的装甲を常に纏うようになる。エイヴィヒカイトを操る者は聖遺物によってしか倒すことが出来ず、それ以外の手段での攻撃は一切通じない。聖遺物による攻撃は、物理的・霊的の両面で防がなければ防ぐことは出来ない。さらに聖遺物を破壊されない限り、エイヴィヒカイトの使い手は不老不死である。しかし、これらの特性はエイヴィヒカイトの副次的作用に過ぎないもので、本来のエイヴィヒカイトがどのようなもので、何を目的として作られたのかは、エイヴィヒカイトの生みの親であるメルクリウス以外、誰一人として知らない。
エイヴィヒカイトには4つの位階(Degree)が存在し、下から順にそれぞれ活動(Assiah)、形成(Yetzirah)、創造(Briah)、流出(Atziluth)と呼ばれている。経験を重ねることにより位階は上昇し、それに連れて戦闘能力も飛躍的に増大する。位階が一つ違えば、その戦闘力は桁違いになる。聖槍十三騎士団に属する者たちは、ほとんどが第3段階である「創造」の位階にまで達している。
活動(Assiah)
初期段階。限定的に聖遺物の特性を使用できる。例として、刀剣類の聖遺物であれば手を触れずに物を切り裂くことが出来る、など。常人の殺傷には十分すぎるが、戦闘に使えるレベルではない。とは言え、身体能力などはこの段階で既に遥か人外の領域に達している。未だ聖遺物に振り回されている段階で、暴走・自滅の危険性が高い。
形成(Yetzirah)
聖遺物を具現化できる。五感・霊感が超人化し、破壊と戦闘を高次元で行えるようになる。高密度の魂を取り込んだ場合、それを具現化させることも出来る。
創造(Briah)
切り札、必殺技を獲得する。詳細不明。この位階に達した者のほとんどは聖遺物の形状が大きく変化する。
流出(Atziluth)
詳細不明。この位階に到達した者は未だ存在しないとされる。
一部の登場人物は、聖遺物の発動に自身の称号、あるいは聖遺物自体を連想させる戯曲の一節を詠唱する。
またエイヴィヒカイトの使い手は、その性格や聖遺物の性質によって4種の武装形態(Kampfform)に分類される。
人器融合型
肉体を聖遺物と融合させる。攻撃力に特化し、全タイプ中最高の身体能力を発揮する。しかし発動中は極度の興奮状態となるため、理性的に判断することが困難になる。性格としては好戦的で破壊的な者、刹那主義者や享楽主義者などがなりやすい。聖遺物は、拷問や処刑に使用され、怨念を餌にした物が大半。
武装具現型
聖遺物を刀剣などの武器として扱う。基本形でありバランス面で優れ、特筆すべきメリットもデメリットもない。主従関係がはっきりしているため暴走・自滅の危険性が低い。性格としては職業的な戦闘訓練を受けた者、現実主義者などがなりやすい。聖遺物は、武器・兵器などの戦闘における道具として使用され、血を吸った物が大半。
事象展開型
魔術や呪術のような働きをする。物理的破壊の顕現ではないため攻撃力は低く、中には攻撃力が皆無の者もいるが、反面防御や補助に優れており、殺すことが困難。融合型と組んだ場合は非常に危険。性格としては理知的で聡明な者、探究心と神経質な拘りを持つ者など、学者・芸術家タイプの者がなりやすい。聖遺物は、書物や芸術品など、作者の狂的な情熱を餌にした物が大半。
特殊発現型
上記のいずれにも属さないか、または複数の性質を持つ。他を上回る強大な力を発揮することもあれば、状況次第では全く役に立たないこともあるなど、非常に不安定なタイプ。性格としては特定の物事や人物に囚われて盲目的になっている者、純度の高い宗教家や復讐者がなりやすい。聖遺物は、質の浄不浄に関係なく、信仰を餌にした物が大半。
聖槍十三騎士団
聖槍十三騎士団とは、科学と魔術の実践によって人外の力を得た正真正銘の超人にして魔人たち、ナチス・ドイツの親衛隊の中でも最強の力を持つ、国家すら滅ぼしうる十三人の軍団である。ドイツ語ではLonginus∴Dreizehn∴Orden(ロンギヌス・ドライツェーン・オルデン)でL∴D∴Oと略す。構成員はほぼ全員が共通の黒い軍服と赤い腕章を身に付けている。
各団員はいずれも、占星術、ルーン魔術、大アルカナの式を用いた黒円卓と呼ばれる魔法陣の霊的加護を宿し、規格外のマジックウェポンである聖遺物を操り、各々にその性質や特性に合わせた称号が与えられている。団員同士は普段互いを呼び合うとき、本名ではなく称号名を用いる場合が多い。彼らの力は真実文字通りの一騎当千であり、並の人間や兵器では到底太刀打ちできるものではない。ちなみにその圧倒的な強さから、国連の裏ルートなどでは多額の懸賞が賭けられ、今に到るも額が増え続けている。(ドラマCDでのベイ曰く、全員の首を取れば戦車の一万台は買えるらしい)
現在、諏訪原市において存在が確認されているのは、カイン、クリストフ、ベイ、レオン、ゾーネンキント、マレウス、シュピーネ、バビロンの8名のみであり、首領と副首領を含む最高実力者5名の行方は知られていない(もうこの世には存在していないという説もある)。なお、黒円卓における順位は力や地位の序列とは関わりがない(首領は黒円卓第一位だが、副首領は二位ではなく十三位である)。